通勤してきて研究所に着く直前、花園大学西門ヨコのフェンス内には、少し暖かくなってくると野草が咲いたり、梅雨頃には紫陽花が咲いたりするので、春になって暖かくなってきたので何か咲いていないかなと目を配るようになった春先のこと、ある日、そこに兵馬俑(へいばよう)が立っていたのです。
一瞬何が立っているんだろうと目を疑いましたが、紛い無く兵馬俑1体なのです。誰が置いたのかなぁと思っていましたが、つい先日、この兵馬俑が、研究所の通用口横に立っているではありませんか。
ちなみに、兵馬俑とは、古代中国で死者の墓に副葬される人形(武士俑)や馬(軍馬俑)で、秦始皇帝陵博物館の兵馬俑坑が有名ですね。中国で出土した武士俑や軍馬俑は等身大ですが、通用口に立っているのはもちろんミニチュアです。
まさか歩きはしませんが、誰がここに動かしたのかなと思い、こういうことの好きそうな某スタッフに尋ねたところ、自分はやっていないし、不思議に思っていたというのです。
事実はすぐにわかりました。別の若いスタッフが、棚卸しや倉庫整理をし、廃棄品置き場にいったところ、兵馬俑がゴミと一緒に横たわっていたのを見つけたので、拾ってもどり、通用口ヨコに置いたのだと。フェンス横にあった兵馬俑を、おそらく大学の清掃担当の誰かがゴミにしようとしてしまったようなのですね。
中国で出土された兵馬俑はみんな東を向いて立っているそうですが、うちの兵馬俑は西を向いて立っています。というわけで、意味は違いますが、研究所を護ってくれているみたいになりました。ちょっとお地蔵さんみたいですが。