燕の巣立つころ

各地が梅雨入りしたという。
今年の梅雨は入りが遅いが、その期間も短いらしい。じめじめした季節は心地よくないので、それはうれしいことではある。
毎年5月、自坊の玄関に燕が巣作りにやってくる。去年巣だった子燕達が戻ってきて巣作りをするのだとか言われるが、その真偽は確かではない。しかし、毎年3組ほどのつがいの燕が巣作りをして雛を育てにくる。

毎年作り替える燕の巣

昔の田舎の玄関は障子紙や板硝子の扉だったので、その中の1枚を一時的に外してやれば出入りできたのだが、最近はアルミサッシになったので、用心はよくなったが、燕たちには不便な玄関となった。
そのために、自坊の玄関には燕さま専用の玄関まで作ってあげてある。これで夜間や早朝、あるいは留守でも、燕の親はせっせと餌を運んで来ることができるのだ。

燕専用の玄関


今年一組目の燕が巣立った。6羽の雛がいたが、巣立った日に1羽が下に落ちて息絶えた。
そして巣立った5羽のうち、1羽は翌日夜に玄関の土間で冷たくなっていた。
可哀想だがこれも自然の摂理。ここできちんと育っても、遥かな海を渡って南の島にはたどり着けるかどうかは分からないのだ。
巣立った子燕たちだが、自分で餌を採るのはまだ難しいらしく、台所から見える柿の枝に仲良く並んで、親が運ぶ餌をねだっている。

餌を待つ子供達

そのうちにみんな親のまねをして餌を採るためにか飛び立った。
残るは甘えん坊1羽。親の餌を独り占めだ。

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水田が広がるのどかな風景の一こま。