臨済宗円覚寺派、松岡山東慶寺を訪れてきました。
研究所発刊の季刊誌『禅文化』に、今年の10月秋号より4回に亘って、東慶寺の寺庭婦人さんのエッセイが連載される予定です。 そんなご縁もあって、寺庭婦人さんによるブログ「まつがおか日記」がある事を知りました。
その日記には、お寺の茶室で行なわれる月釜や、境内で咲く花の様子などが紹介されており、少なからず茶道に関心があり、茶花が大好きな私は、毎回の更新を楽しみに拝見し、この時期に訪れたくて仕方が無かったのです。
学生時代に、小林秀雄氏の墓を拝みに訪れたのは冬であったから、ブログを拝見していると、この季節はだいぶ境内の様子は違うようなのです。
そんな折、ちょうど鎌倉出張が!
仕事に支障をきたさぬよう、早めに京都を出て向かうは北鎌倉東慶寺!
十時前には着いたものの、この時期の紫陽花やその他様々な花を観ようと、境内は既にすごい賑わいでした。
鎌倉の自然豊かな地に位置する東慶寺の土地は、山野草・茶花と言われる花々にはうってつけのようで、様々な花が元気よく咲いており、植木鉢で育てるのとはわけが違うその瑞々しさ、はかない小さな花であっても、その力強さに、一歩進むごとに立ち止まりつつなかなか先へ進めないほど。
今年、私の中でかなりのお気に入り、柏葉紫陽花。
和の大壺にわさっと生けても、ガラスの大きな瓶に投げ入れても素敵そう・・・。
和の家にも洋の家のお庭にも素敵にマッチする花です。
本当に柏餅がくるまれている柏の葉っぱと同じような葉なのです。
皆さんは八重のどくだみをご覧になったことがありますか?
私は存在は知っていたものの、実際に見たことはなく、東慶寺さんで見るのが初めて。
写真で見るのと実物とはだいぶ違います。非常に可憐でかわいらしい花を咲かせていました。
どくだみにも、普通のどくだみとこの八重のどくだみ、また、私の家には葉に斑入りのどくだみと、色々な種類があります。
少しにおいはあるものの、小さな瓶に挿したりすると、なんともいえぬ風情あるかわいらしい花なのです。ただ、地植えする際は気をつけないと、根っこがつよくあらゆるところに根を伸ばし芽を出しますので、他の弱い山野草などを枯らしてしまう事もあります。
趣ある立派な鐘楼。
下野(シモツケ)も紅白揃って咲いていました。この季節の茶花としては欠かせない花なのです。
花菖蒲も見頃。この菖蒲園の隣に位置する白蓮舎では、この美しい花を愛でながら一服いただけるお茶席があります。
白の菊一輪、凛と美しくお供え。
岩たばこ、山野草の専門店ではよくみかけていましたたが、このような形で自生するのだとはつゆ知らず。
名前に「岩」と付くくらいなのだから当たり前なのでしょうが・・・。 高い所まで岩一面に咲いていて圧巻です。
階段を昇って門をくぐった奥に、様々な花、岩(というか崖!)には岩たばこが群生、そして緑が美しい竹藪。門前からは、中にこんなにも奥深く広い世界が広がってるとは想像がつきません。
鎌倉近くに住んでいれば、是非月釜にも参加してみたいのに・・・と悔しく思う私でした。