本日、平成29年12月11日から花園大学歴史博物館で開催しています「蘇山玄喬 -禅画と墨蹟」展にあわせて、本展に出陳していない禅文化研究所所蔵の蘇山禅師の禅画を紹介します。
先般ご紹介したのは「文殊菩薩像」でしたが、今回ご紹介するのは、
蘇山玄喬自画賛「蛤蜊観音図」(紙本墨画/129.4cm×41.9cm)
です。まずは図版をみていただきましょう。
白隠禅師の禅画によく観る蛤観音図ですが、今回の展覧会には水月観音図はありますが、蛤観音図はありません。賛文は下記の通りです。
(「擔水売河頭」白文長方印)
應以蛤身可得度者、即現
蛤身而爲説法。
前華園蘇山書(「玄喬沙門」白文方印)(「蘇山」朱文方印)
「観音経普門品」の一節を「蛤に変えて」もじったものです。款記が「前華園蘇山書」とあることから、おそらく見性寺住持の最後の頃から円福寺に住山したころではないかと思われます。
関防印の「擔水売河頭」という白文長方印は、円福寺の調査でも何度も目にしました。
今回の出展作品の中にもこの関防印が押されている作品もあります。
では、どうぞ花園大学歴史博物館までお運び下さい。