すでにお知らせしたとおり、平成29年12月11日より、花園大学歴史博物館にて企画展「蘇山玄喬 ―禅画と墨蹟」展が始まっています。
初日、一番にご来場頂いたのは、大乗僧堂の老師と隠侍さんだったようです。興味深くご覧頂けたようで幸いでした。ちょうど妙心寺の開山無相大師毎歳忌があるので、都合がよかったようです。
書画だけでなく、蘇山禅師の愛用された数珠や印なども出陳されています。
下記に弊所所長からの展覧会開催についてのご挨拶を転載いたします。
ごあいさつ
今回蘇山玄喬禅師百五十年遠諱を記念して、禅文化研究所が花園大学歴史博物館と共同で禅師遺墨の企画展を開催することになりました。ご縁の深い徳源寺、円福寺、見性寺に所蔵されている禅師の遺墨を集めて、平成29年12月11日より30年2月3日の期間、開催いたします。
江戸後期の禅僧、蘇山玄喬禅師は熊本にお生まれになり、尾張総見寺に居られた卓洲胡僊の所で十八年修行され、嗣法されました。永源寺派は同じ卓洲派でも蘇山禅師の兄弟子に当る春応禅悦禅師の系統ですが、蘇山禅師が卓洲派の偉大なる祖師で有ることには変りません。蘇山禅師の字は癖字の強い禅僧の間に在って、力強い正統派の書体であって、書道のあまり得意でない小衲には嬉しい限りです。また蘇山禅師は多くの禅画を描いています。布袋の画を沢山画いていますが、就中「指月布袋」には面白い物が多い樣に思えます。祖師方の画も多く、特に「慈明引錘図」は優れたものです。これを好い機会に存分に味わって頂けたら禅文化の本望であります。
永源寺派管長・禅文化研究所所長 道前慈明
入館料無料です。みなさまのご来場をお待ちしております。