一昨日のブログに円福寺調査のことを別のスタッフが書いていましたが、宝物調査に円福寺へ行って参りました。のべ11日にわたった調査もこれで終了です。
円福寺の見事な大根ツリーは今年もありましたが、確かに今年は、天候の影響を受けて大根が不足義味とかで例年より少ないそうです。それでも、檀家さんや信者さんが手塩に掛けて作られた貴重な大根。今年も丁寧に乾してありました。
さて、私事ですが寂しい話を少し……。
来年早々に高校時代の学年同窓会を開催し、私も幹事の一人で、出欠の総まとめをさせてもらっています。
同じクラスでずっと交流のあった友達のS、彼は近年患っていて参加できないと返信が来ていました。自宅で闘病生活しておりましたが、そんな中、11月初旬に彼のLINEで奥さんからメッセージが入り、亡くなった事を知りました。今度倒れたら死ぬかもとは言っていましたが、まさか本当に逝ってしまうとは思ってもみませんでしたので、最近、出会いに行くことを後回しにしていた自分がとても悔やまれました。
すでに家族葬で送られたとのことでしたので、親しかった友達を募り、近く四十九日を迎えるつい先日の日曜に、友人9人でSの霊前にお参りにいきました。僧侶である私が読経し、8人の友人は私の後ろでお参りしてくれました。まさかSの霊前でお経をあげるなんて思いもしなかったと考えながら……。
集まった9人は、よく会うものもいれば、数年ぶりに出会ったものもいましたが、「こんなことで再会するとはなぁ」と語り合いながら、それでもニコニコとお互いの近況を少し語らい、「またお正月の同窓会ですぐ会えるな!」と、散会しました。
その翌早朝のことです。Sのお参りには都合が付かずに来られなかった別の友人からのLINEが来ました。昨日、一緒にお参りしてたMが昨夜突然倒れて緊急搬送されたが亡くなったと!!
私は目を疑い、スマホを見つめる目を離せなくなってしまいました。信じられませんでした。仕事も手に着かなくなりました。昨日、ニコニコ笑いながら高校時代の時のエピソードを話していたあのMが亡くなったなんて。あとで知ったのですが心筋梗塞だったそうです。もちろん一緒に来ていた友人をはじめ親しい仲間に連絡をまわすと、一様に悲嘆にくれました。
彼は名古屋の東証1部上場企業に勤め、名古屋に住んでいたのですが、実家のある滋賀で通夜葬儀を行なうとのこと。翌日のお通夜にお参りしました。
驚きました。彼はその会社の常務取締役にまで上り詰めていたのです。彼は一切、偉ぶったりそういう雰囲気を出していませんでした。高校時代から全く変わらない気さくな男だったのです。彼の優しさ、懐の広さに感動さえ覚えました。
通夜には200人はくだらないであろう人たちが大勢お参りに来られていました。
Sのお参りにきたときにはデニムにジャンパー姿のMでしたが、棺の中では、今にもにっこり笑い出しそうな顔で、なんとスーツを着させてもらい静かに横たわっていました。
僧侶であると、亡き人を送る機会によく遭遇します。その時々に色々な思いも生じます。ただ、こんな短期間に親しい友人を二人亡くすことになると、僧侶でありながら気持ちは揺れ動きました。
こうして早逝した友達を涙して送り生きていくのと、涙を流した友達に惜しまれて送られるのと、どちらがいいだろうか。焼香しながらそんな想いが頭の中をよぎりました。Mの運命が尽きる前に、親友だったSがみんなを呼び寄せて会わせてくれたのかも知れません。
Mから届いていた同窓会への返信のコメントには「相変わらずです」と記されていました。確かに相変わらずの様子でした。でもその夜、「相変わらず」ではなくなりました。まさに「諸行無常」です。
いつ逝くかも知れない、そんな危うい人生だからこそ、一瞬一瞬を大事に生きなければ。
SNSがあっていつでも近くにいるように勘違いしていますが、じつは顔を合わせていないことも多い親しき人と、できるだけ会っておくことを大切にしなければ。
改めて色々なことを考えさせられ、気付かされたこの数日。お通夜の夜も、お葬式の夜も、夜空には満天の星でした。二人の冥福を祈っています。