二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」もすぎ、一気に春めいてきました。自坊の梅林の梅もどんどんと花を啓いていきます。
藪椿も陽に照らされてぽっこりと春の訪れを告げています。
冬の間、なんにもなくなっていたような畑にもこうやって花が咲いてくれました。ただ花粉症の私には、5月頃まで気候とは裏腹に憂鬱な日々がやってきているのも事実です。この時期にはアレルギーのせいで咳喘息の症状も出てしまうのです。
皆さんは如何でしょうか。
3月には、もうすぐお彼岸もありますが、自坊のあるあたりはお彼岸法要の前から並行して、大般若祈祷会をお勤めするのが慣例となっています。大般若祈祷はお正月に、あるいは善月祈祷会といって正月、5月、9月の各16日に行なうのが法式上での通例ですが、もともと雪の多かった自坊の地域では、車の無い時代、お正月に雪のあるなかを徒歩で近隣のお寺に出頭するのは大変だったからでしょうし、お参りに見える檀家さん達のためでもあるでしょう。雪の降らなくなった3月、お互いに行き来しやすいこの時期に祈祷会をするのが慣例となったのではないかと思います。
そういったわけで、3月は近隣のお寺に行ったり来て貰ったりと、しょっちゅう顔を合わせる機会が増えます。最近は若手の和尚も増えてきて、だんだんと顔ぶれが変わっていくのも面白いです。
先般は、自坊の大般若祈祷会をお勤めしました。この春から掛搭する若いお弟子さんたちも出頭してくださったので、12函ある大般若経だけでは足りず、少し帙を分配して14人の方で転読していただき、とても賑やかでした。今年の天下安全、五穀豊穣を祈ったのでした。