臨済宗の僧侶なら、『江湖法式梵唄抄』目にしたことが無い人はおそらくないであろうと思います。
昭和31年12月8日に初版の和本仕立ての『江湖法式梵唄抄』は、もともと非売品で、花園大学の法儀実習のテキストとして使われたのが最初かもしれません。その後、改訂や版を重ねて昭和57年5月18日発行の改訂5版が、現在、禅文化研究所の資料室の書架にありました。
内容は、妙心寺派の僧侶の身につけるべき法要所作などを中心に、各法要の回向や、臨時清規、声明、書翰の書き方などについて幅広く記されているものでした。実際、今でもこの本を使っている和尚さんも少なからずおられると思います。
その後、禅文化研究所は本書を再編させて頂き、写真付きで解説したり、声明はカセットテープで音源をいれて解説する3巻本となり、宗門に公刊いたしました。平成3年のことです。その後、カセットテープを再録音してCD化したりして重版してきましたが、今般、その在庫も底をつきました。
その間、この『法式梵唄抄』を基礎にして、江湖叢書シリーズの『新修禅家書鑑』や『諸回向清規式』、また『引導法語大全』や『臨済宗勤行聖典』など、細分化しより詳細な宗門向けHowto本を公刊してきました。そこでこのたび、『江湖法式梵唄 改編版』を発刊するにあたり、江湖叢書シリーズなどに切り分けたものを本書から基本的に切り離し、通用清規、臨時清規といった基本にあたる部分のみを中心として1冊に纏め直したのが本改編版なのです。
今回、妙心寺派法務部長の吹田良忠師に監修をお願いして、説明が不充分だったところを詳しくしたり、法要の説明を加えたり、また写真も再撮影しました。また製本も工夫して開いたまま置きやすいものにし、また用紙も丈夫で薄いものを選びました。
『法式梵唄抄 別冊CD版』も別売しておりますが、本書は臨済宗僧侶の必携の書と思います。お求めをお待ちしております。
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