花園大学名誉教授で、弊所の前所長でもある西村惠信先生の個展「趣味の淡彩画展」に行って参りました。
会場の「ギャラリーめん」さんは、温かみのある木の看板が目印。ご覧のとおり緑の山々に臨む落ち着いた立地です。ウェスティン都ホテルのお向かいですよ。
ギャラリーを覗くと、こぢんまりした空間に、モチーフもさまざまに大小約40点の作品が展示されていました。
1点1点に先生のメッセージが添えられているのですが、これが楽しかったです! 作品が描かれたシチュエーションや、その時の何気ないエピソードが印象的な文句で綴られており、引き込まれてしまいます。
ちょっとした空き時間、「サンドウィッチ片手に」筆を執られるえしん先生の姿、旅先でスケッチに夢中になる先生に「早く宿に戻ってくださいね」と声をかけるご同行者の様子など、ありありと目にうかびました。ピアノ演奏会場のざわめきや、川の水音も聞こえてくるようです。
日本の大自然に海外の街並み、ある日のご自坊の食卓(!)までマイペースにじっくり楽しませていただきましたが、どれか1点と决めるなら私は銀の食器のような額に収められたこの絵がお気に入り。
つやつやした実を見ながら添え書きを読んでいるうちに、自分が子供時代手をベタベタにして食べた庭のいちじくのこと。すっかり忘れていた香り、柔らかさ、皮を剥くときのあの指の感触までが、鮮明に蘇ってきたのでありました。
個展は10日まで開催中。ぜひお出かけください。