来年春に迎える円覚寺の誠拙周樗禅師の遠諱事業の一環である、遺墨集制作のために、先週後半の4日間、鎌倉円覚寺で調査撮影をしてきました。そのうち1日だけ、近くにある円覚寺派瑞泉寺へ出向いての調査となりました。
この瑞泉寺のご住職は、現在、円覚寺派教学部長をされていますが、季刊誌『禅文化』に連載いただいている「睡猫庵歌話」の筆者、大下一真師であります。
鎌倉では有名な五山十刹の十刹に入る名刹ですが、個人的には初めて訪ねました。円覚寺や建長からすると、鶴岡八幡宮を間に挟んで右手の方に車で5分ほど。鎌倉らしい狭い道路を進んでいくとかなり奥まったところに、この瑞泉寺はありました。
建立は嘉暦2年(1327)、京都の天龍寺の開山でもある夢窓国師が開山で、鎌倉公方の菩提寺として建てられたようです。関東大震災で大きな被害を受けたようですが、今は仏殿や庫裏も整えられ、多くの花や樹木囲まれた緑豊かなとても美しいお寺です。
こちらでの調査撮影の合間、ご住職の大下師にこちらへと案内されたのは仏殿の裏にある小間。ここの障子を開くと、夢想国師が作庭されたといわれる庭園を拝することができました。
(パノラマ機能がなかったので2枚の写真を合成しています。クリックすると拡大表示できます)
右手の方にわかりにくいでしょうが滝水がそそいでいます。これには少し仕掛けがあるそうで、時間を限定して流しておられるそうです。
なんとこの庭は長らく土に埋もれてしまっていたとのことで、昭和45年に発掘されこのように見事に復元されたとのこと(ただし、仏殿裏からの一般拝観はされていません。境内からはご覧いただけます)。
瑞泉寺についてはホームページに詳しく記されていますので、そちらを。
境内ではそれはそれは美しい声(mp4)で、ウグイスが鳴いていました。鎌倉をお訪ねの際には、少し足を伸ばして瑞泉寺をお訪ねになることをお勧めします。