司馬遼太郎記念館

司馬遼太郎記念館

東大阪市にある司馬遼太郎記念館にいってきた。
いつの頃からか歴史小説が面白くなり、著作のすべてを読んでみたいとさえ思っているくらいで、かねてから一度訪れなくてはと思っていた。
ちょうど、「21世紀に生きる君たちへ」の企画展を10月28日まで開催中である(これについては明日の記事にて…)。

企画展 「21世紀に生きる君たちへ」

ここは司馬の自宅に、後に建てられた安藤忠雄氏設計のミュージアムがある。
安藤氏といえば、コンクリートの打ちっぱなしの建築物で有名。例えば、以前に本ブログでもとりあげた、大山崎山荘美術館にも安藤氏の設計による新館がある。


門を入ると雑木林のような庭。そこに司馬の自宅、その書斎がそのままの形で残っている。
その奥にある記念館。いかにも安藤氏の設計らしい建物である。

安藤氏設計による記念館

コンクリート打ちっぱなしだけどなぜか暖かい

中に入ると、かなりの高さの書架に納められた司馬の蔵書。沢山の本につつまれているようで暖かく幸せな空間である。
地下一階と地上一階の2階建て。おおきな透明なステンドガラスのおかげで、曇った日でも明るい空間が広がっている。外の緑がガラスに写り、冬は暖かく、夏は涼しげな印象を醸し出す。
いつも安藤氏の建築にはまいってしまう。彼の発想でしか出来得ない物が、実際に形になり我々の目の前に存在する事に感謝したい気持ちになる。
さて、司馬の蔵書2万冊であるが、書架に並びまるで図書館並み。その内容も多岐にわたる。
歴史書、地方紙、仏教関係の本もたくさんみることができた。
彼の歴史書を読むだけで、日本の様々な土地の風俗・宗教などにまで明るくなれるが、その裏にはこれだけの下調べがあるのだ。
また、司馬が遺した数多くの著作も展示されている。
中は撮影禁止なので、パンフレットに載っている書架の写真を載せておこう。

2万冊もの資料書架

司馬の代表作の一つに『竜馬がゆく』があるが、不思議なことに、このミュージアムの一番奧の高い天上に、まるであの竜馬の有名な写真にそっくりなセメントのシミができているのだ。開館後、しばらくしてから現れたものだという。オカルトではないが、なにか不思議ではある。訪れたら是非見逃す事なく、見て来て欲しい。