誠拙周樗禅師の来年の遠諱事業である墨蹟集制作にともなう調査撮影のため、はるばる四国は愛媛、それも西予、南予へ機材を積んだ車で行って参りました。京都から片道500kmのロングドライブです。
南予は禅師の生誕の地なので、資料も少なくありませんが、そのうちの厳選書画を五軒のお寺で撮影させていただきました。
初日一軒目に訪ねたこちらは西予市の光教寺様。耐震補強のため、10年ほどかけて、本堂再建、庫裏などの半解体による基礎補強大工事などを終えられたとのこと。
このあたりの町並みがえらく風情があるのでなにも知らないで尋ねたところ、光教寺のある西予市卯之町は、「重要伝統的建造物群保存地区」だとのこと。従って、お寺もその趣を遺した改修がなされていたのでした。
なので、この本堂、そう新しく見えないのですが、じつは内部はぴっかぴかの新築なのでした。
時間があれば卯之町の街並みを散策してみたいところなのですが、二日間での強行軍のため敢えなく諦めて後にし、続いて、宇和島市の大乗僧堂へ。
小雨が降っていた事もあり、新緑のもみじや苔が一層美しい境内です。
河野徹山老師には禅文化研究所の理事としてもお世話になっております。関東から大乗僧堂に入られた老師ですが、このあたりの歴史にもお詳しく、ご説明を受けながら調査を進めました。撮影のお願いをしていたもの以外の禅師の軸もお出しいただいたので、合わせて撮らせていただいてきました。できることなら大乗僧堂の宝物悉皆調査もさせていただきたいところですが、すでに老師自ら、パソコンなどを駆使して情報を整理中とのこと。もちろん雲水さんたちの勉強にもなり素晴らしいことです。
翌日もあと3軒の調査を残していますが、老師もご同行頂けることになりました。伊予に他にどのような禅師の書画が遺っているかごらんになりたいのだそうです。
続く