2018/8/6~7の二日間かけて、ついに霊峰富士へ登山にいってきました。
日本に生まれた限りは、なんとしても一度は登っておきたいと思っていたお山です。静岡で修行時代には頻繁に目にし、また近年は新幹線で通る度にその美しさを気高く感じていた、日本最高峰の富士山。今回参加したのは、地元で色々な活動をしている方達が募られた、小学生から70歳台まで老若男女70人以上の団体です。
早朝に滋賀を大型バス2台で出発し、富士吉田ルートの5合目にはお昼頃に到着。今回の登山に備えて、大きいリュックやストック、運動用スパッツ、防寒具などを買い揃えて気合いも充分ですが、心配なのはなにしろ天気。こればかりは運頼みです。登り始めのころは曇天。下界はまだ35度超えの猛暑ながら、五合目(2305m)は涼しくて気持ちいいくらいです。
全員揃って準備を整え、注意事項などを改めて聞いていよいよ歩き始めました。挨拶を交わしてすれ違う下山する人たちは、かなりお疲れの様子で肩をまるめて笑顔もない人ばかり。降りてくるときは、あんなになってしまっているのかなと考えつつも、期待に胸を膨らませて、それでも習ったとおり、大股では歩かず、ゆっくりゆっくり歩を進めます。
最初は登山道も広くて比較的歩きやすい道。予定では夕方6時台に本8合(8合目最上部)の山小屋に到着することになっていますが、6合目から7合目と、だんだんきつくなっていきます。少し岩場もあり、滑らないように気をつけて……。
とても沢山の登山者(それでも当日は平日で少ない方らしい)が登っています。日本人ばかりではなく外国人もたくさん見かけました。それゆえ、登山道は大渋滞。
8合目が近づいた頃、雲の中に突入し雨が降り出しました。慌てて雨具を取り出しカメラはしまい込みました。雷も鳴り出しましたが、なんと、眼下で鳴っているのです。高い山への登山ならではでしょう。
当初から注意されていたのは、高山病にならないように、ゆっくりゆっくり登ることと、深呼吸を心がけること。それでも空気の薄さは感じました。少し頭痛もしていました。雨の中は輪を掛けて辛くもありました。
ようやく夕食と仮眠をとる山小屋についたのは予定より遅く、19:00を過ぎてしまっていました。登山靴を脱ぎ、装備を解いて食べたハンバーグカレーの美味しかったこと!
そしてたった3時間の仮眠の後、23:30起床し24:00に頂上目指して再出発。なんと、この時には雨はあがり、三日月も現われ、満天の星空となっていたのです。
眼下に目をやると、雲海とともに、登頂を目指す人たちのヘッドライトの列が連なっています。
そして、本8合から登ること4時間半。高山病になりかけて苦しんでいるメンバーもいましたが、ゆっくりゆっくり頑張って登り詰め、ついに頂上に到達! これこそ万歳です。
そして74人全員が無事に登頂完了してまもなく、日本一のご来光をおがむことができました。素晴らしくて言葉を失い、ひたすらシャッターを切っていました。
いつか一度はと思っていた富士登頂、そしてご来光も拝めました。これこそ日本人の土着信仰なのでしょうね。登山者一同が感激しています。私もおもわず感動で涙が出てしまいました。
1時間ほども頂上にいたでしょうか。名残惜しい気持ちもありますが、帰らねばなりません。11時間以上かけて登ったのに直ちに下山です。下山はまた膝や足首、腰にも負担がかかり、かなり辛いのですが、素晴らしいご来光を拝めて、みんなニコニコと下りました。往路に見た人たちは笑っていませんでしたが、我々はみんな笑顔で下ることができたのです。
曇り空から雷雨、そして果てしなく広がる雲海から出たご来光。自然というものを身体中で感じて、その有り難さに感動した二日間でした。
とはいえ、この感動は言葉や写真ではわからないでしょう。まだ登っていない方、挑戦してみませんか? きっと素晴らしい体験になるはずですよ。