仏教とヒンズー教とが共存する国、カンボジアへ その10(ベン・メリア)

 

blog_MG_1214.jpgついにカンボジアシリーズ最終回です。長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。
少々、遺跡巡りばかりで飽きた感もしないではないのですが、最後に訪ねたのはベン・メリア遺跡です。

アンコール・ワットから50kmくらい東にいったあたりにあるこの遺跡は、大きな寺院なのですが、傷み方がひどく、また、ほとんど修復が施されていない遺跡として知られています。アンコールワット遺跡群がこうやって世界遺産になるまでには、あちこちの遺跡は各国が協力して修復を行なってきたのです。いってみれば、初めてフランスの学者がジャングルの中に睡るアンコール遺跡を発見した時には、どこもほぼこんな状態だったかもしれません。

blog_MG_1167.jpg痩せ細った牛たちが休憩中の森の中を少しあるいていくと……

blog_MG_1175.jpg密林の中にこんな瓦礫の山が出現するのでした。アンコール・ワットより先に建立されたとみられるそうで、「東のアンコール・ワット」という異名もあるようです。ちなみに、アンコール・ワットとプリヤ・カーン、そしてこのベン・メリアの3つの寺院は一直線上に建てられているそうです。
ヒンズー教寺院として建立されたのですが、仏教のレリーフもいくつか観られました。

blog_MG_1195.jpg修復はされていないものの、内部の中央祠堂の方へは、遊歩道のような通路が築かれていて、そこを通って内部へ入っていくことができるようになっています。遺跡は崩れているだけでなく、苔むしていて、とても湿度が高く蒸し暑いのでした。

blog_MG_1215.jpgそしてご存知の方もあろうかと思いますが、じつはここ、スタジオジブリの「天空の城ラピュタ」のモデルになったのではないかと言われている遺跡でして、そういわれてみると、なにやらよく似た雰囲気の景色が見えるのです。

blog_MG_1198.jpgこんなところとか、あるいは、こんな雰囲気とか……

blog_MG_1237.jpg手の長いロボット兵が音をきしませながら出てくるような感じがしますよね。

朽ち果てた遺跡の傍で咲く蓮の花は、死の世界の中に浄土をみた気がしました。

blog_MG_1254.jpgこの後、車でシェムリアップまでもどり、荷物を整理してその夜の飛行機を待ちがてらカメラを持って散歩していたら、川沿いのベンチでカンボジアの美女に出会いました。許可を取って撮影させて貰ったのがこちら。

blog__MG_1268.jpg撮らせてほしいというと、ちょっと恥ずかしがった顔をしましたが、ちゃんとカメラ目線で対応してくれました。こうして初のカンボジアツアーは終わったのでした。

多くの遺跡の中で、私の記憶にとくに残ったのはバイヨンでした。今度はもっとゆっくり時間があればバイヨンのレリーフをゆっくりみたいという気持ちがあります。
それから特筆すべきは、カンボジアのクメール料理。毎日、とても美味しくいただきました。となりのタイ料理ほど辛くなく、反対隣のベトナム料理ほど香草がきつくないので、日本人の口にとてもあうのではないかと思います。
もちろんニュースで流れてくるように一党独裁政治のようになってきていて、ガイドのコーさんは時々批判的な話もしていましたが、人々はニコニコしていて親切でしたし、治安もよく物価も安いので、カンボジアはとても好印象なのでした。

おしまい