昨日、一日遅れではありますが、自坊でも成道会を執り行いました。
本堂中央には「出山釋迦像」をかけてお祀りし、正午から、檀家さん達にお参りいただいて、楞厳呪をお唱えしました。
ご存知の通り、本来ならば12月8日に行なうのが正式なのですが、なにぶん二足鞋の私ですから、前後の日曜日にお勤めするのを恒例としております。そして、この成道会にはいつも布教師さんを特請させていただいています。今年も本山にお願いしたところ、広島県三次市鳳源寺ご住職の和田牧生師に、わざわざ遠方よりお越し頂きました。
せっかく遠方からお越し頂くのに聴衆がちらほらでは申し訳なく思い、二日前に世話方さんに連絡して動員をかけたのですが、この日は寒波が来て雪もチラチラするほど。なかなか思ったようにお集まり頂けないのが残念でした。
成道会の法要が終わった後、役員さん達お手製の精進料理を、お参り頂いた皆さんでいただくのも恒例。お手参りの品々が集まりました。
それから、禅寺の料理にはかかせないのがけんちん汁。普段ご家庭では作ることが少ないですが、何年かに一度、お寺の役回りがまわってくると、こんな大きな鍋で作って頂くので慣れたものです。
布教師さんにもこの料理を召し上がって頂きました。檀家さん達もご飯やけんちん汁のおかわりもされて、好評でした。
そして午後2時からのご法話。「奇なるかな ~ありがたし~」と題して、和田牧生師による約90分のお話。
不幸続きの小林一茶の人生とその時にできた俳句をたくさんご紹介いただき、不幸にもまけず、自らそのまま受け入れて「有難い」と歌に詠んだ一茶の生き様は、そのままお釈迦様のお悟りに繋がっていたということでした。成道会をお釈迦様のお悟りの日だとただお祝いの気持ちでお参りするのではなく、自分自身が不思議にも頂いたこの一生を「有難い」と思えることが大切だとの、成道会に相応しいお話を頂戴しました。
今年も、いよいよあと20日。感謝の気持ちを持ってしっかり大切に生きねばなりませんね。