今、手許で仕事している円覚寺の誠拙周樗禅師の墨蹟の整理をしているなかで、円山応挙の布袋図に誠拙周樗が賛をしているものがあり、それが名古屋市博物館所蔵なので、館のホームページを見ようとしてたまたま見つけたのが、この特別展「画僧 月僊」です。
デジタルアーカイブスの調査で禅寺を悉皆調査しているときに、時々、でくわすのが「月僊」筆のすばらしい着色墨画。
月僊(げっせん、1741-1809)は名古屋生まれの江戸時代の淨土宗の僧侶。江戸の増上寺で出家した後、桜井雪館(さくらいせっかん、1715-90)に絵を学び、あの円山応挙の影響を強く受けたと云われます。伊勢山田の寂照寺の住職になってからは、描いた絵を売って寺の復興に努めたと聞きます。なんか、二足鞋を履いて寺を維持している我々のようで嬉しくなります。したがって沢山の絵が出回っているのですが、主に京都や伊勢周辺に多いと思われます。
そういえば、デジタルアーカイブズ事業で調査をした、岐阜八百津の大仙寺様に「酔仙図」がありましたし、八幡の圓福寺にも海門禪恪賛の「遭痛棒図」がありました。
酔仙図(大仙寺蔵)
遭痛棒図(圓福寺蔵)
いずれも繊細なタッチで描かれた絵画でした。
というわけで、もっと観てみたい衝動に駆られ、今週末早速に名古屋まで足を伸ばして展覧会を観に行ってくることにします。皆さんも如何でしょうか。
会期は平成30(2018)年12月15日(土)~平成31(2019)年1月27日(日)となっています。詳しくは特別展「画僧月僊(げっせん)」のWEBサイトをご覧下さい。