もう2月もおしまいですね。あっという間に今年も六分の一が終わり。なんとも早いものです。
さて、この4月11日に、鎌倉の円覚寺を中興された誠拙周樗禅師(大用国師)の200年遠諱が、大本山円覚寺に於いて勤修されます。それにあわせて禅師の遺墨集制作を委託され、数年前から手がけてきましたが、昨日、印刷会社に責了を伝えました。
事前調査時には442点が報告され、その中から180点に絞って詳細調査を行ない、今回の図録にまとめてあります。鎌倉はもちろんのこと、北は仙台、南は宇和島、久留米まで駆け回って調査してきました禅師の墨蹟を、釈文するのもこれまた大変な作業でした。
以前、100年遠諱の時にも図録が作られました。それがこれです。こちらは制作部数が少なかったのか、現存しているのはかなり少ないようですが、幸いにして禅文化研究所の資料室には備えてありました。
また、50年前の昭和46年の150年遠諱の時には、小冊子で下の図録が作られています。こういった資料も大変参考になりました。
今回の『二百年遠諱 大用国師遺墨集』は、これらの図録より遙かに収録数の多いものとなっています。禅文化研究所からも特別頒布させていただくことになっています。
また、この遠諱に合わせて、誠拙周樗禅師の師匠にあたる月船禅慧禅師の偈頌集『武渓集』の訳注本を禅文化研究所から刊行いたします。横田老師による現代語訳も含まれています。この底本となった円覚僧堂蔵の刊本『武渓集』には、誠拙周樗禅師の書き入れが施してあります。もちろんこの書入れも注釈に含んでおります。発刊日は4月11日です。改めてご案内いたします。