募田峪長城を後にして、天壇公園に向けて車を走らせたのですが、これまた一帯一路の影響で大渋滞に巻き込まれ、天壇公園に到着したときには、内部拝観の時間は終わっており、外側の公園部分を散策することしかできませんでした。それでも美しい祈年殿をこうして観ることができましたし、また以前来たときにはあまり気がついてなかったのですが、多くの柏槇の古木があるのを観られました。
下の写真はその一本。樹齢300年だったかと思います。さらに古いものもありましたが、これぞ、「庭前の柏樹子」です。中国ではそこいらにある樹なんですね。
翌日は李さんたちとは別行動。久しぶりに天安門から故宮博物館を拝観することにしました。
朝の8時頃に天安門前に来たのですが、それでもこの人出。
セキュリティチェックもあり、チケットも本来はオンラインで申し込んでおくべきだったのですが、気まま旅なもので、出たとこ勝負。中国ではオンラインサービスがかなり普及していて、この日、のちにWeChatPayの必要性に大いに気づかされることになるのです。
ともかくも現金を払って天安門から故宮博物館の中に入りましたが、中も多くの人、人、人。
こちらは太和殿です。映画「ラストエンペラー」の印象的なシーンと坂本龍一の音楽が蘇ってきます。
私自身、故宮博物館の中に入ったのは30年以上前でしたから、その時とはまた違った感覚で観ることができましたが、それにしても人が多すぎて、人に酔ってしまった感じが否めません。
約2時間、紫禁城内を拝観してようやく北側の神武門から故宮の外へ。目の前に景山公園が見えますが、よく見ると、そちらも多くの人が。中国でも5/1のメーデー前後は連休になるとのことなので、地方からの観光客も多いのでしょうね。
ところで、この後、疲れもあってタクシーを利用して一旦ホテルに戻るのですが、そこで、WeChatPayなどのキャッシュレスにしていなかったツケに見舞われます。
タクシーを降りるとき、タクシー代として17元ほどの支払いだったので、10元と5元と2元を用意したら、おつりを渡すから100元札が欲しいといわれ同時に釣り銭を手渡されました。そこで、財布から100元を出して渡すと、もっときれいな札がないかというので、財布の中から別の100元を出し、先にわたした100元と交換したのです。あとで考えると、この時に先に渡した100元札を偽札とすり替えられていたようなのです。
このあとに行ったレストランで、この100元札は使えないといわれ、不思議に思ってホテルでチェックして貰ったら、これは偽札だと……。100元札は関西空港で両替したときに手にしたものだけだったので、偽札のはずはなく、しばらく考えたところ、上記のタクシーでのタイミングしかあり得ないのでした。
たしかに、よくよく見比べると透かしがあまかったり、ほかにも少しおかしな点がありました。
中国はキャッシュレスが非常に進んでいる理由の一端がわかった気がします。日本で偽札が出たら大ニュース。ですが、私はこの札を教訓にしようと持ち帰ったのでした。
その夜、中国時間で23時、衛星放送でNHKを観ていると「令和」へのカウントダウン。まるで大晦日のようでした。
久しぶりの中国。そんなこんなで、アタフタして帰路に就き、日本に着いたときには「令和」の時代となっていたのでした。ちょっと浦島太郎の気分です。