本日は、3日間だけの貴重な特別公開のご案内です。お釈迦様入滅時の情景を描いた「涅槃図」。その中でも重要な作例である、妙興寺(愛知県一宮市)所蔵の「仏涅槃図」(国指定重要文化財)が、今週末特別に公開されます。
妙興寺の涅槃図は縦が3メートルを超える大幅で、鎌倉時代の涅槃図としては全国的に見ても最大級のもの。宝床上に横たわるお釈迦様の周囲には、菩薩・仏弟子・天部・俗形男女など63体の人物、象・獅子をはじめ動物51種約50体が描かれています。
この図はもともと、京都の泉涌寺にありました。どうしてそんなことがわかるのでしょうか。
企画された一宮市博物館によると、本図には「泉涌寺」と読めそうな墨書があり、さらに裏面には「泉涌寺常住」「涅槃像」と書された紙や、応仁の乱頃、泉涌寺が火災に遭い紛失していたものを文明10年(1478)長谷川道慶入道が買い求めて同寺に寄付し直した記録、大永2年(1522)の修理記録のほか、奉加者を書いた紙も貼られているそうです。妙興寺には寛永8年(1631)に寄進されました。 なんと数奇な運命! 作品の来し方、携わった方がたなど背景にも思いを馳せてご覧いただくと、また違った味わいがあるのではないでしょうか。
5月25日(土)には、愛知教育大学の鷹巣純教授による「絵解き」も実施されます。ぜひお出かけくださいませ。
【期間】
2019年5月24日(金)~26日(日) 9:30~17:00(入館16:30)
【場所】
愛知県一宮市 一宮市博物館
【観覧料(常設展を含む)】
一般200円(160円)/高校・大学生100円(80円)/小・中学生50円(40円)
※( )内は団体料金。
※市内小・中学生は無料。
※市内在住の満65歳以上で、住所・年齢の確認できる公的機関発行の証明書等を提示された方は無料。
※身体障害者等の手帳をお持ちの方(付添人1人を含む)は無料。
【公開中の催し】
絵解き(愛知教育大学:鷹巣純教授)
【日時】
5月25日(土)14:00~15:00
【場所】
一宮市博物館特別展示室
【人数】
先着30名(要観覧料)