一昨日のブログに続き、自坊の檀家さん達を引き連れての白隠さん由緒の地めぐり、その二日目。
残念ながら露天風呂からの富士山は拝めませんでしたが、伊豆長岡のいいお湯につかって、ホテルを後にしました。向かったのは沼津市原町の松蔭寺。ご存知の通り、白隠禅師が住職をされ、多くの修行者達を接化された古道場です。
もちろん檀家さんたちは初めての参拝。本堂にお賽銭をお供えして手を合わせました。その後、本堂裏にあるお墓の方へご案内し、白隠禅師のお墓にお参りです。
普段から法話などで白隠禅師のことは話してはいますが、「白隠禅師坐禅和讃」をつくった白隠さんくらいにしか、おそらく理解を得ていなかったであろうと思いますが、こうして由緒の地を廻ることで白隠禅師がどういう方で、どんなところにおられたかなど、身近に感じられて、布教効果は抜群です。
墓地内を少し探したところ、白隠禅師のご実家である長澤家のお墓も発見。前日に説明していたのですが、今は「耕文社」という印刷会社を経営されていて、私が勤めている禅文化研究所での刊行物も多くここで印刷して貰っているというと、また親近感がわくようでした。
このあたりのお墓は黒石が多いねぇとか、大きな墓石が多いとか、お土地柄の違いにひどく感心する檀家さん達。
つづいて、松蔭寺のすぐ近く、いまは「白隠禅師産湯の井戸」としてお祀りされている長澤家跡にもお参りしました。こちらは白隠禅師250年遠諱を記念して大本山妙心寺が整備をされてきれいになっています。
白隠禅師の作られた「隻手音声」を表わす、白隠禅師筆の片手の絵が彫られた石もありましたので、こちらでも公案について説明したりして、臨済宗の修行に欠かせない参禅ということの話などもできました。ほんとに自坊にいて話していても、なかなか理解されにくい話ですが、こうして僧堂の生活や、白隠禅師の由緒の地を訪ねて、現地で話をすると、檀家さん達も興味ぶかく、また熱心に話を聞いて下さっていました。
沼津港市場に立ち寄って、おうちへのお土産をたんまり買い込まれた皆さんと、夕刻に無事に自坊に帰り着きました。また機会を作ってこういう旅をしたいものです。