飯山正受庵へ

 

b_MG_7276.jpg先般、飯山の正受庵へお邪魔してきました。ちょうど、近畿以西は梅雨明けとなった日で、信州飯山といえども夏の景色でしたが、ヒグラシの声が聞こえるのがいかにも飯山らしく感じました。

来年、白隠禅師の師匠である正受老人道鏡慧端禅師の300年遠諱に正当するのにあわせ、妙心寺の聖澤派にて遠諱委員会が組織され、遠諱事業が計画されております。弊所はそのお手伝いをさせていただくことになっておりますが、その一環として飯山市美術館での正受庵宝物展(仮)も計画されています。そこでその出陳品を選定すべく、正受庵に所蔵される宝物什物の下見に参上したわけです。

ちなみに私は飯山の近くにある野沢温泉や斑尾高原といったところには、過去に度々スキーに行っておりますが、正受庵を訪ねたのは一度きり。それも雪の中を外から拝んだだけで、実際に境内に入ったのは今回が初めてでした。

現在近隣のお寺の若い住職が兼務をされており、2年前の大本山妙心寺の白隠禅師250年遠諱事業で、正受庵の修復もされましたので、一時に比べるとだいぶきれいになったようです。

 

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こちらは正受老人の墓塔である「栽松塔」です。白隠禅師の高弟である東嶺円慈が、正受庵で正受老人の60年遠諱を勤め、報恩感謝のために正受庵の復興をするとともに、この墓塔を建立したのでした。

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白隠禅師が修行中、この正受庵を訪れ正受老人に相見した際に、正受老人からその高慢な心中を見透かされ、大喝されてここで蹴落とされたと言われ、蹴落とし坂と呼ばれています。階段上に細くて眼光鋭い正受老人が、蹴落とした白隠を見下ろしている、そんな様子が浮かんできます。自ら白隠禅師になった気持ちで見上げてしまいました。

そんな恐ろしい話がある正受庵ですが、和尚さんや檀信徒、飯山市美術館などの方々と打ち合わせをさせていただいた、庫裏の一室の縁側廊下を見上げると、こんなことに。

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裸電球のコードを巻いてある部分にツバメが巣を作ったのです。2年ほど前だったようですが、巣がそのままゆりかごのようですね。出入りしやすいようにとずっと窓を開けていたようですよ。正受庵の優しいお話です。

京都から飯山へは、特急サンダーバードで金沢へ、そして北陸新幹線で飯山まで。便利になったものですが、それでも片道4時間かかりました。今度は調査機材を持って車で走ることになりそうです。

それから、こちらの地元飯山高校、ことしの夏の甲子園出場おめでとうございます。健闘をお祈りします。