夜のハノイ中心部。街頭で安くて美味しいフォーを食べる人たち。
つづくといいながら、少々間が開いてしまいました。
今回は、ベトナムのハノイ滞在3日目、以前から楽しみにしていた今回の旅の一つのハシラであるハロン湾クルーズ。
ハロン湾は有名なのでご存知の方も多いと思いますが、ベトナム北東部にある、石灰岩でできた無数の島々が風光明媚な湾で、クルーズ船やジャンクボートなどで風景を楽しむことができる名勝地の一つで、かなり早い時期にユネスコの世界遺産にも登録されています。欧米人などはハロン湾のクルーズ船で宿泊もして長旅を楽しむ人も多いようですが、なにしろこちらは短期間での旅、残念ながらハノイからの日帰り弾丸クルーズです。本当は夕焼けや朝日を見たかったところですが。
このクルーズだけ、出発前から現地の旅行者にオーダーしておいたツアーで、日本語ガイド付の専用車チャーターツアー。といってもそれほど高額ではありません。朝の約束した時間にドライバーがホテルに迎えに来てくれて、ハロン湾に向けて疾走します。ホテルからハロン湾の港までは約150kmあり、途中で一ヶ所休憩をしましたが、車で3時間近くかかります。日本のように高速道路を軽やかに走るわけではなく、今問題の「あおり運転」的なドライブで、ヒヤヒヤすること度々。しかしベトナムの人たちはそれが日常的なので、あおる方もあおられる方も別段どうしたということはありません。が、クラクションだけは鳴らしまくります。昔の日本も中国もそうだったので、いずれはもう少しスマートな交通状況になっていくのでしょうか。
さて、ハロン湾のクルーズ船が出る港(Tuần Châu Harbor)に到着すると、同じツアー会社を利用して申し込んでいた日本人旅行客の数組と合流。不思議に関西の人が多かったのですが、ベトナム人の日本語ガイドと共に多くのジャンクボートの中の一隻に乗船しました。
もうお昼前でしたので、乗り込むみ離岸するやすぐに船上でランチ。もちろんベトナムの郷土料理です。食べ終わるタイミングで、はやくも島々が点在するエリアに入っていきます。
三枚目のこの島なんて、ゴリラを斜め後ろから見た感じだとの説明。なるほど。こういう観光地にいくと、やたらとこういった、「何かに似ている」という景観が出てくるもので、このあとも、夫婦岩だとか鷲だとか、いろいろと説明がありました。
その後、しばらく奇岩をながめていると、水上生活者のいる桟橋に到着します。ここでオプションです。彼等の漕ぐ小さなボートに乗って、鍾乳洞を少し廻ってくれるというものです。鍾乳洞自体はそれほどでもなかったのですが、水面に近づくことによって、よりハロン湾を楽しむこともできました。
おもしろいのはこの水上生活者です。もともとは陸地に住んでいた人らしいのですが、漁の都合で水上に住みだしたとか。浮き橋の上に建物を建てて生活しているということです。漁や観光で生計を立てていて、今は一つの自治体になっているらしく学校などもあったそうですが、数年前から国が陸上での生活をするように薦めたことから学校は閉鎖されたらしいですが、かなり英語なども話せるということでした。
またジャンクボートに乗り直して、今度はティエンクン鍾乳洞の埠頭でまた下船し、30分ほど鍾乳洞散策もさせてくれます。こちらも世界遺産に登録されています。この内部にはこれまた色々な「何かに似ている」石のオンパレードでした。
ハロン湾、お天気もうす曇りで霧もなく、朝日も夕陽も見ない状況でのクルーズでした。初めてだったので、これはこれでよかったのですが、もしふたたび訪ねられるのであれば、上記のようないわゆる観光プランではなく、もっと自然の風景としてのハロン湾を訪ねたい、そんな思いが残りました。やはり最低一泊して、夕陽や朝日に浮かぶ島々をボーッと見ていたいですね。
(つづく)