以前、季刊『禅文化』241号にて「禅と能」という特集を組みました。その際に「能面師から見た禅と能」という原稿をご寄稿いただいた、能面師の伊庭貞一氏がプロデュースされてできあがった新作能「高虎」をご紹介します。伊庭氏は、常より「滋賀能楽文化を育てる会」として滋賀県での能楽講演の立役者のお一人でもあります。
さて、高虎とは、言わずともご存知であろう戦国時代の猛将として知られる藤堂高虎(1556~1630)です。しかし、この高虎が近江国藤堂村(現在の滋賀県犬上郡甲良町大字在士)の出身であることをご存知の方は、それほど多くないかも知れません。また、石川五右衛門が「絶景かな絶景かな」と満開の桜を愛でていったという歌舞伎で有名な南禅寺三門の建築の際に縄張りを手がけたのも、この高虎です。また能楽を愛した文化人でもあったそうです。
伊庭氏はこのことに端を発して発案し、高安流能楽師の有松遼一氏に作詞いただいた新作能「高虎」を、生まれ故郷の甲良町で上演されるということになりました。観世流能楽師の浦部好弘氏、浦部幸裕氏ほか、滋賀県在住の能楽師を中心に演じられます。高虎の能面は伊庭氏が創作されたものです。
ご興味のある方、滋賀県は甲良町までお出向きになっては如何でしょうか。
新作能上演「高虎」
とき:令和元年10月19日(土) 13:30開演(12:30開場)
ところ:甲良町立甲良中学校体育館(滋賀県犬上郡甲良町在士392)
チケットやお問い合わせについては下記まで。
- 新作能「高虎」上演実行委員会 TEL:0749-38-5061
- 滋賀能楽文化を育てる会 TEL:0748-42-0002
- 甲良町観光協会 TEL:0749-38-2035 email:kikaku@town.koura.lg.jp
- 浦部好謡会 TEL:0749-42-2550
- チケットぴあ https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1942592