七日盆(なぬかぼん)と招き幡

8月7日を盆の入りとして、七日盆という。
この日、筆者の自坊では、朝早くから作業着を着た檀家さんたちが集まって見え、本堂にてお勤めをした後、墓掃除、草刈り、境内清掃など全山清掃を行なうのだ。
それとともに、お盆にお精霊さん(おしょらいさん)がキュウリの馬に跨って戻ってみえるための目印にと、東と西に招き幡を2本、高く立てるのだ。書かれている文字は「宝楼閣神咒」という呪文である。

招き幡

そういえば関東は7月がお盆である。となると七日盆は7月7日、つまり七夕である。
七夕として祭るのは単に星の祭りのようなものではなく、こういった七日盆の行事とも関係があるのではないかと思えてきた。
そう思って調べてみたら、七日盆というのは、どうやら関西を中心に行なっている行事のようである。奈良でも盆入りというようだし、井戸さらいをやる「池替盆」をやる地方や、「七度親を拝み、七度海に浴びる」 「七遍飯を食い、七度海に浴びる」「七度ホウトウを食べ七度水泳ぎをすれば腹を病まぬ」というような女性の禊を行なう地方もあるようで、地方によって七夕は色々な意味合いを持っているようだ。
地域に根付いた信仰と、仏教の行事が関係している行事の一つと言えるのだろう。
自坊の近くには縄文時代の祭場跡と言われる遺跡が在る。星を仰いでいた太古にまで思いをはせる。