成道会と感謝

 

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昨日12月8日はお釈迦様の成道の日、仏教徒の皆さん、どんな一日をお過ごしでしたか?

私の自坊では、毎年12月8日に近い日曜日に成道会をお勤めしているのですが、今年は日曜日に正当したので幸いでした。例年通り、正午から成道会の法要をお勤めし、その後、檀家の役員さん達が作り寄せてきてくださった精進料理のお総菜と、ご飯、そしてけんちん汁をいただきます。その後、2時からお招きしている布教師さんの法話を拝聴します。

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今年は、妙心寺派常任布教師の岩浅慎龍師にお願いして、「今の自分を生きる」と題して1時間余りのお話をお聞きしたのです。今年の妙心寺派の布教のテーマは「無依の道人」なのですが、ご自身の出自である山陰地方と、その山を隔てた山陽地方を採り上げられ、不便な山陰の人間からすると山陽は浄土のように思われるとして、自分の中に此岸と彼岸を作ってしまっていることの愚かさと、それに気づくことをお話しになりました。

ところで、その前日の土曜日、これまた私事ですが、ボサノバ歌手として有名な小野リサさんのコンサートを聴く機会を得ました。個人的に昔から彼女の歌声が好きでよく聴いていたのですが、実際にナマで聴いてみるとやはり素晴らしく、寒空の下でむいてきたのに、会場の中は南国の風が吹いているようで、どの曲も気持ちよく聴くことができました。

その中で、普通の人より5倍も早く成長が進行してしまい、平均年齢16歳で死んでしまうと言う難病の外国の女の子が書いた詩を、弾き語りで朗読されました。

普通であればこんな病気を患ったことに哀しみ、恨んでしまうのが普通かと思うところですが、彼女は、この病気を与えてくれた神様に感謝し、短い人生でやりたいことを一杯見つけて楽しんで生き、そして支えて育ててくれている母親、そして周りの人たちにありがとうと感謝したいと。そして「ありがとうよりももっと大きな言葉がほしい」とさえ言うのです。そして彼女は18年で生涯を終えたそうです。
この言葉に大きく感動した私だったのですが、あらためてボンヤリと生きている自分に反省をするとともに、「ありがとうより大きい言葉」って。仏教徒としてなら「南無」があるじゃないかと思ったのでした。

小野リサさんのコンサート、そして成道会の御法話。どちらも今一度、「今生かされている自分」に気づかされたいい二日間でした。