500年間出といわれる白隠を大悟に導いた「正受老人」こと道鏡慧端(1642~1721)。慢心する白隠を坂から蹴落とすなど厳しい鉗鎚で知られるとおり、まずは「厳格」「清貧」などの言葉を連想させる禅匠です。
ところが、遺された偈頌を読むと、少し意外な側面を知ることもできるのです。たとえば、ある夫婦の死別に際しては優しい言葉で当事者に寄り添われていますし、時には、到来物のお酒に思わず頬が緩んでしまうなんていうこともおありだったよう。
深い情愛と人間味にあふれたお方だったのでしょう。正受老人は時を超えて慕われ続け、地元飯山(長野県)では、いまや「ふるさと教育の柱」のひとつとして、大人から子供まで多くの方に親しまれておられます。
三百年遠諱を控えたいま、そんな正受老人の魅力に再び触れてみませんか。師の遺された言葉、史料に残る逸話などをもとに、有縁の老師や先生方にご執筆いただきました。正受老人が生涯暮らされた飯山の地と、正受庵再興の歴史についても詳細な論稿の掲載が叶っております(ここまで詳しく纏めた論はほかにあまりないのではと思います)。飯山にも思いを馳せつつ、最新号をお手に取っていただけましたら幸いに存じます。
詳細は下記https://www.zenbunka.or.jp/pub_etc/pub/entry/_255.htmlをご高覧くださいませ。