第15回臨黄教化研究会

 

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先週の木曜金曜(2020/2/13~14)と、毎年恒例の臨黄教化研究会が開催されました。

この教化研究会は、臨済宗黄檗宗連合各派合議所(事務局・禅文化研究所)が毎年開催しているもので、全国から、臨済宗黄檗宗の僧侶が参集して研修を行なっているもので、今年も約70名の僧侶が参加しました。

今年のテーマは「寺院の現状と未来」というもので、初日には基調講演として以下のお二方の講師の講演を拝聴しました。

1.「日本仏教界に未来はあるのか ~寺院を取り巻く現状と課題」
  鵜飼秀徳氏(一般社団法人 良いお寺研究会代表理事、正覚寺副住職)

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2040年というそう遠くない未来に消滅してしまう宗教法人がどれくらいあるか。想定される数字を列記され愕然とする中、その現実に立ち向かうために、私たち僧侶はどうしていけばいいか。自らも僧侶としてのお立場もあり、そのうえで、変えられないこと、変えるべきところ、そして変えてはいけないところを整理して、考え行動していく必要があるというお話でした。
「良いお寺研究会」として実際に実行された例を挙げられ、気づかされることが多々あったかと思います。

2.「葬式仏教から仏教の未来を考える」
  薄井秀夫氏(寺院デザイン代表取締役) 

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薄井さんのお話は、葬式仏教として揶揄されてきた現代仏教は、いまやそれさえ危うくなり、直葬、家族葬が増えているように感じるが、実際には旧来の葬儀に還ってきていると考えても良いのではないかというものでした。それよりは、お葬式をもっと丁寧にすべきで、葬儀の中で、たとえばこのあとは、なにのためにどういうお経を読むのかといったことを説明したりすることにより、葬儀という儀式を退屈でないものにしていく工夫などが必要だとの提言がありました。

その後、班に分かれて分科会でテーマに沿ったサブテーマで討論し、翌日のの全体会で班ごとに発表という流れでした。

参加者にはよい刺激になり、また今後の寺院運営について、よく考える機会が与えられたのではないかと思います。