今年最後の季刊「禅文化」を発刊いたしました。今回は、瑞巌寺第100世・洞水東初禅師(1605~71)の350年遠諱に合わせての特集となっております。
伊達政宗親子やその重臣、親族らから篤い帰依を受けた洞水禅師は、言葉や行為に跡をとどめぬ「没蹤跡(もっしょうせき)」を信条とされました。このため、その生涯は師である雲居希膺禅師ほどには目立ったところがないと言われてもいますが、実際のところ妙心寺には三住されており、12を数える寺院を開創、18名もの法嗣を育て上げた名僧であられます。
そんな禅師の心を表現するのは、頂相に描かれた「靴」だと瑞巌寺宝物課主任学芸員の堀野真澄先生はおっしゃいます。絵を見ていただくと、たしかに靴の向きが揃っておらず、ばらばらです。これがいったいどう禅師の心と結びつけられるのか、先生には表紙解説で詳しく述べていただいております。
本号では、堀野先生をはじめ4名の先生がたに洞水禅師や雲居派のことをさまざまご紹介いただきました。綿密なフィールドワークの成果を本誌で発表いただくなど、最新の研究も掲載が叶っておりますので、ぜひこの機会に禅師の禅風に触れ、先人をお偲びいただければ幸いです。詳細・ご注文はこちらから。宜しくお願い申し上げます。