玉林院の宝物調査

梅雨も明け、いよいよ夏本番。
だんだん日差しも強くなり、木立の陰を渡り歩く毎日です。

さて、私は禅文化研究所のスタッフとして働き始めてまだ2年の見習いですが、
デジタルアーカイブス事業の宝物調査にとても刺激を受けています。

今年の春からは大徳寺の塔頭・玉林院に出向き、調査を行っています。
通常は公開されておらず、中に入れるだけでも貴重な経験でした。
中には緑が美しいお庭と、日差しが気持ちいい立派な縁側がありました。
野鳥もたくさん遊びにきていましたよ。

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そしてなんといっても本堂にある狩野派の襖絵に圧倒されます。
花鳥図や山水図がびっしり。
ここで調査を行えるのかと思うと、わくわくと同時に緊張が走りました。
そう、文化財に囲まれながら、文化財調査をするのです。
調査ではよくあるシチュエーションでしょうが、私はまだ慣れません。
感動する反面、撮影機材を倒してしまったらどうしようとハラハラ。
寿命が縮まりそうな一日でした。

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調査した宝物は、掛け軸が主でした。
中には先生が「これは珍品中の珍品だ!」と感動される書もあり、
私も感慨深く凝視させていただきました。
「もし禅文化研究所のスタッフになっていなければ、一生経験することがないであろう・・」と思う、日々の出張です。