堀 文子展 -京都高島屋-

堀文子展

『画業70年 自然と共に生きて 堀 文子展』 を訪れた。
(8/15~20日まで、京都高島屋グランドホールにて開催。9/12~24まで、難波高島屋でも開催予定)
以前から、婦人雑誌に度々紹介されている事があり、今まで見たことの無いような画風や、その絵の持つ力に惹かれていたので、日本画家でいらっしゃる事も何も知らずにただ訪れてみた。
「○○画」などという枠を超えて、生命の神秘、命ある全てのものに対する尊厳が彼女の絵から溢れている。日本画家として出発した彼女が、どのようにしてこういった絵を描くに至ったのか、その軌跡を辿る事のできる展示となっていた。
歳を重ねるごとに、様々な物を吸収し、深くなってゆく彼女の絵に魅了され続ける何時間かであった。
「死は、外からやってくるものではなく、自分の内にあるもの」
「自然の中に暮らしていると、虫や鳥たちと同じく、自分も自然の一部なのだなと本当にわかるんですよ」
優しく語りかける一言一言に、真理が見えた。
会場で流されるビデオの中で、堀さんがご自宅の庭にて、蜘蛛の巣に霧吹きで水をかけ、巣に水滴がつきキラキラと美しく輝くのを見せて、「ほら!とってもきれいでしょ!!!」と、少女のように瞳を輝かせる姿が印象的であった。
堀さんの絵の展示を拝見させていただき、染色家の志村ふくみさんを思い出した。
素晴らしい方達がおっしゃる事を聞いていると、物事の真理、人として大切な事、人類がこれから歩むべき道を教えていただけるような気がする。
また、生命への尊厳ということから、神谷美恵子さんの著作を改めて読んでみたい気分になった。
チベット(現在はインドにいらっしゃいますが)のダライラマ法王が、その著作の中で「慈悲深い人は皆、チャーミングなのです」とおっしゃっていらしたが、ふとそのことが思い出された。