伊吹山 6 山裾の関ケ原

涼しい伊吹山を後にしてドライブウェイを下り、関ケ原インターへ向かう国道365号線から、ほんの200mも入ると、そこに笹尾山がある。
ここはあの天下分け目の戦いである関ケ原の古戦場、西側の大将、石田三成の陣があったところである。イメージからすると、もっと高い山のように思っていたが、ちょっとした丘のような山である。

笹尾山

戦いは今から406年前の秋、この地でたった一日で終わった。当初優勢だった西軍だが、小早川秀秋の反逆にあった西軍は総崩れとなり破れてしまい、その後、徳川の時代となるのは、ご存じの通りである。
筆者は司馬遼の『関ケ原』を読んで以来、石田三成に傾倒しているため、小早川の裏切りは許せないのである。

石田三成の陣の跡

石田三成には島左近というすぐれた軍師がいて、この関ケ原の戦いで憤死した。その勇猛さは東軍のなかでも語り草になるほどだったということである。
関ケ原の戦いの日は、もっと秋であったが、この挿すような日差しの中でこの地に立つと、彼らの雄叫びが聞こえてくるような気がしてならない。
余談だが、ここからそれほど遠くない彦根城では、今、築城400年祭が行なわれていて、ひこにゃんというマスコットで大いに盛り上がっている。
これに合わせるように、同じく彦根にあった、石田三成の居城「佐和山城」のPRとして、島左近のキャラクター「しまさこにゃん」まで登場している。本来のイメージとはだいぶ違うが・・・。