出雲へ向かう途中、安来節の郷である、島根県安来市にある足立美術館に立ち寄った。
創設者足立全康が自ら収集したという横山大観の近代日本画が中心の美術館であるが、さらに有名なのはその日本庭園である。アメリカの庭園専門誌”Journal of Japanese Gardening”によって、5年連続で日本一に選ばれている。
したがって、美術館自体も、絵画を鑑賞するのと同様にこの庭園を鑑賞できるような作りになっていて、来館者の多くは庭にカメラを向けているのが、美術館としては違和な感じもする。
庭は後ろ盾にある山を借景として、とても広々とした大きな庭である。
借景になっている山は、戦国時代、この地で毛利と尼子が合戦した際、毛利軍が陣を張ったといわれる勝山という山で難攻不落であったそうだ。
この庭は四季折々に楽しませてくれる花や木が多く、特に毎日職人さんたちの手によって丁寧に手入れされているようである。
所蔵品である横山大観の絵もさることながら、魯山人や河井寛次郎の展示室もあり興味深く見る事ができた。
さて、ちなみにこの地の安来節の踊りは、「どじょうすくい」というので、水の中にいるドジョウを救う所作をおもしろおかしくした踊りとばかり思っていたが、実は「土壌すくい」というわけで、この付近でとれた砂金とりの様子なのだそうである。昔からこの地方は金や銀の採掘にも恵まれていたのであろう。
というわけで、後で今年世界文化遺産に登録された岩見銀山にも思いきって行ってみることにした(別記事でご報告します)。