しばらく間があいてしまったが、出雲行きのつづきにおつき合いいただきたい。
出雲にも名の知れた窯元があり、そのなかの二ケ所に旅のついでに立ち寄ってみた。
一つは温泉として日本最古の歴史を持つ玉造温泉の程近くにある、布志名焼きの窯元「湯町窯」。ガレナ釉を使った食器で有名で、民芸の窯として知られている。
というのは、島根県出身の陶芸家・河井寛次郎、そして柳宗悦やバーナード・リーチといった人達の民芸運動によってもたらされた影響や助言をうけて育ってきた窯だからだ。
展示されているものは民芸調のものが多い。
そのガレナ釉や海鼠釉の陶器の品を自分のお土産に一つ二つ・・・。
またもう一つは、島根県簸川郡斐川町にある「出西窯」。「しゅっさいがま」と読む。この窯も民芸論を実践されたものが作品になっていて、とても風合いのいい普段使い用の食器が多い。
そして、きれいな店舗の隣には写真のような大きな工房がある。
のぼり窯のある工房を外から見学していると、中に働いている人たちはみな若い。次の世代にきちんと伝わっていく様子に感動した。
ここでは研究所のお客に出すための湯のみ茶碗を5客買って帰ることにした。
そして、この出西窯のすぐ近くには宍道湖に流れ込む斐伊川が流れている。出雲はその昔は海の底であった土地も多く、河原の砂も海の砂のようなのだ。