インドの鉄道

オーランガバード

インドに行くなら必ず一度は体験してみたい列車の旅。
アグラからオーランガバードまでを寝台列車にて移動です。
皆さん乗車時間を聞くとびっくりするかと思います。約17時間です、17時間。
夕方5時頃出発して、昼の11時前に到着。
おかげで、旅のお供の“司馬遼”をだいぶ読み進める事ができました。
ちなみに、アナウンスも電光掲示板も無く、発車ベルさえも鳴らないインドの駅。
だいぶ遅れて電車が到着するわりに、知らない間に出発。走って乗り込む人多数。走っても乗り込めないおばさんのために列車が停まったり…。私が乗る列車も一時間以上遅れましたが、この様々な光景を見ているだけで飽きません。

アグラの駅

何やら大荷物の家族。駅ではみんな寝そべったり座ったり、自由です。列車が遅れようがイライラする様子も全くありません。

2段ベッドの上
あなたを撮りたいわけではないのです
夕飯

ベッドは固いのですが、シーツや毛布、掛布団などをもらえるので、それなりに快適です。
ですが、クーラーがおそろしいほどに効きすぎて、しかも調節不可能。ゴーゴーと音を立てて、冷たい空気が天井から容赦なく吹き下ろします。
夕飯や朝食は聞きに来てくれますので、お願いしておけば運んできてくれます。
2段ベッドの上は、子供やお年寄りだと上がれません。はしごなどがあるわけでなく、下のベッドから飛び上がらなくてはなりませんので…。
個室ではなく、カーテンで仕切られた一区間に4人が寝られますので、どんな人が向かいにやってくるのかと非常にナーバスになりましたが、スィク教徒のおとなしそうな青年とおじいさんでした。
おじいさんが食べているりんごを見つめすぎたせいか、いただいて一緒に食べたりと、なかなかおもしろい列車の旅でした。ちなみに、旅行ガイドなどでは「列車で人に食べ物をもらってはいけない、もしかして睡眠薬が入っているかもしれないから…」とのことでしたが、これはもう、その人を自分で見極めて信用できるかできないかを判断するしか無いようです。クーラー付きの寝台車両となると、インド人でもそれなりにお金が払える人しか乗っていないようでした。

窓からの景色

ほぼずーーーーっと同じ景色。インドはやはり広いのですね…。
この席からは外がそれなりに見えますが、私がいた席の窓は、寝台列車だからか窓ガラスはスモーク?がかかっていて、外がきれいには見えませんので、「眠れないなら優雅に景色を楽しもう!」…なんてこともできないのです。いい経験にはなりましたが、長すぎる乗車はこりごりです。
そして、列車は一時間以上遅れたはずなのに、到着時間はなぜか予定時刻よりもだいぶ早いというところが、日本人の感覚では理解しがたいのです…。
アナウンスも無いので周りのあらゆる人に聞きまくります。大多数が「次がオーランガバードだよ」と言うので間違いなし。今回の旅の第一目的、アジャンタ・エローラの石窟を見るための拠点となる町に到着です。