特別展覧会、『憧れのヨーロッパ陶磁-マイセン・セーヴル・ミントンとの出会い-』を鑑賞しに、京都国立博物館を訪れた。
展観の紹介文章には、「いつの時代も、人は異国に対して一種の畏れを感じる一方で、強い憧れをもつようです。このところ、高級食器としてのヨーロッパ陶磁が人気を博し、テーブル・コーディネートで活躍している背景にも、おそらくある種の「異国趣味(エキゾチシズム)」があるのでしょう」とありますが、どうでしょうか。
最近の日本では、ブランドやラインを揃えて使わなければならない、そしてなんと言っても値の張る西洋の高級食器よりも、洋食であっても気軽に使える自分の好みの日本の窯元の作家物をどんどん使って、自分なりにコーディネートを楽しんでいる人が増えているように思えます。
私の中では、そういった自分の好きな作家の物がある程度揃ってから、やはりきちんとお紅茶ならお紅茶を入れておもてなしを…と思った時に目が向くのが、西洋の磁器といった所でしょうか。
昔はアッパークラスの人々、外交上何か関係ある人のみが特注したり所持する事ができた憧れの器たちが、今では好きな人だと百貨店に行けばすぐに手に入る(もちろん、すぐに手に入る売っている物と、展示品のような物とでは価値が違いますが)あたり、昔の人のような憧れの目で観るまでには至らないものの、食器が好きな事に変わりはありませんので、西洋の文化がもたらされた頃の日本人がどういった趣味趣向であちらの物に憧れたのか、どのように日本文化に取り入れられて行ったのか、その変遷を観る事のできる展示は興味深いものでした。