今日2月15日は、三仏忌の一つ、仏涅槃会の正当日である。お釈迦様が入滅された日。
この日には、涅槃図とよばれる図像を掲げて、お釈迦様の法に感謝する法要を営む。
自坊には大した書画の掛軸はないのだが、そのわりには不釣り合いな大きな涅槃図がある。釣り下げるのには一人ではできず、二人がかりの仕事である。
真前にお膳やお供え物をして、檀家さんたちも集って楞厳呪をお勤めする。
そのあと、檀家さんだけで、西国三十三観音霊場の御詠歌を御唱えするのが風習となっている。お講のなごりがこういった形で残っている。
この時には檀家さんの中の長老が、小磬や木魚を打って維那をしなければならないのが習わしなので、長老といえども、おかしいほどの緊張の具合だ。
入滅の時、お釈迦様は最後の説法で「自灯明・法灯明」を説かれた。入滅間近の師に対して悲しむしか術のない弟子たちに、これからは、自らをよりどころとし、仏法をよりどころとせよ、と諭されるのである。
おろおろとしている長老に、届けばいいが。