堀内長生庵での撮影

お盆も終わってしまったが、以前にも「ブログ禅」に書いたとおり、堀内宗心宗匠の御執筆中の本のグラビア写真のために、お盆前の8月9日には釜座の堀内長生庵に、10日には嵯峨野にある宗匠のご自宅に撮影に出向いた。

晴れてきてしまった後ではあるが美しい長生庵の庭

ちょうど台風が日本列島に近づいて心配していたのだが、うまく避けてくれたおかげで、9日の午前中は曇天の中、好条件で長生庵の路地や茶室外観の写真を撮ることができた。晴天だと日向と影のコントラストがつきすぎて、案外いい写真にならないのである。
我々スタッフが写真を撮るために、宗匠のお弟子さんのYさんが庭に水をまいたり、落ち葉を拾ったり、こまごまとしつらえてくれたおかげでもある。Yさんは、信州の妙心寺派の寺の徒弟で、僧堂を出た後にここで釜座のお弟子さんとして修行されているのである。


外観の撮影の後、今度は長生庵の由緒あるお道具類や宗匠のお好みもののお道具の撮影を行なった。
約30点ほどだったが、とても美しいお道具で、宗心宗匠はそれらを一々に我々にも丁寧に説明をしてくださった。

お好みものの撮影中

とはいえ、現在、宗匠は5つの原稿を抱えていらっしゃるという。撮影中も合間を見て、陽のあたる広間で、畳の上に原稿を置いてメガネをかけて校正されておられた姿は印象に残った。なんといってもご高齢である。そんな中を我々の企画をお引き受けいただいたことは誠にありがたいことである。
堀内門下の長生会はもとより、表千家のみならず、流派を問わず茶道を嗜む方々、そして禅の文化として臨済宗僧侶に、ひろく読んでいただける本になればと心がけている。
翌日の嵯峨野のご自宅での、宗心宗匠のポートレイトも、大変うまくいったと思っている。
カメラマンは柴田明蘭氏、新進だがその腕をみこみ、研究所でよくお願いしている写真家である。この本の発刊予定はまだ未定だが、どうか楽しみにしていただきたい。
私はこの本のお蔭で宗匠を存じ上げることになったのだが、そのお人柄に感銘を受け、尊敬することとなった次第である。
(E.N Wrote)