寺山を通る林道を拡幅することになり、邪魔になるクヌギの木を伐採することになった。先日、檀家さんらによって切り倒されたクヌギの木が椎茸栽培用の原木に玉切りされ、50本ばかり寺に届けられた。
今日はその原木への椎茸菌の植え付けである。
作業は、原木に専用ドリルで均等に穴を開け、その中にコマ菌と呼ばれる椎茸菌を金槌で打ち込んでゆく。(写真1)
原木の太さにもよるが、1本あたり約30~40個のコマ菌を打ち込むことになる。単純な作業だが1人でやるとなると結構時間がかかる。打ち終えた原木は井桁に積み上げる。1袋分を打ち終えても10数本原木が余ってしまった。これは菌を入手しだい改めて打ち込むことにする。(写真2)
今回は太い原木を使いヒラタケとナメタケの植菌も行った。これは玉切りにした木工面にオガクズや米ぬかを入れた混合種菌を塗り付けてサンドイッチ状に重ねてゆく。(写真3)
ほぼ一日をかけての作業が終った。境内の掃除ばかりの普段と違い、今日は久しぶりに充実感のある作務だった。
椎茸といえば、道元禅師が中国に渡った時、阿育王寺の老僧が禅師の乗った船に椎茸の買い付けに来たという逸話がある。
また、干し椎茸は出汁としても重用され精進料理には欠かせない食材である。
椎茸が収穫できるのは来年の秋頃になる。さて出来具合はいかがなものだろうか。