過日京都にある表具屋に電話した時のこと。
「○○君いますか?」。
「へぇ、今高野参(こうやまいり)ですねん」。
と言われ、和歌山にある真言宗の大本山高野山を思い、「えらい遠くへ行ったんやね。帰りはいつになります?」と聞くと、「へぇ、もうすぐです!」と…。
妙な会話で受話器を置いた。
しばらくして本人より電話があり、御手洗に行っていたと聞かされびっくり。なぜ高野参なのかわからず広辞苑を引いてみた。
「【高野参】(1)高野山に参詣すること。(2)便所に行くこと。紙(髪)を落すからいう。」とあった。また、厠(かわや)が高野(こうや)になったとも書いてありました。
後に、「おやじさん、博学やなぁ」と言ったら、小さい頃から母親がよく言っていただけで、真似をしているだけとの事。ですがこのおやじさん、洒落好きで、「○○君いますか?」と聞くと「へぇ、あいつは鴨川塵みたいなやつで!!」と…。わかりますか?
川の塵はあっちに寄ったりこっちに引っかかったりしながら、なかなか流れないとの意で、出たらなかなか帰らぬという意味なんです。
ちなみに私は最近事務所で、土曜日の昼になると「ちょっと鹿児島へ」と言う事にしています。「えっ!!出張ですか?これからですか?」と聞かれ、「なんのほんの1時間!」と。
NHK大河ドラマ「篤姫」の放送を見るだけのことですから。もう今では東京(お江戸)行きですね。
このように掛け言葉や笑いを呼ぶ言葉をサラリと使う話し上手がいます。
ちょっとした癒しになるのでは?殺伐とした社会の中で何かウィットに飛んだ話言葉が社会の潤滑油になるのでは?と思う今日この頃です。