私たちの身のまわりには、0から9の数字のボタンが付いた機器がたくさんあります。
電話や電卓をはじめ、パソコンのキーボードやテレビのリモコンにも数字のボタンが付いていますが、それぞれの機器によって数字のボタンの配列に違いがあります。
電話は上から下へ、電卓は下から上へと数字のボタンが並んでいます。この違いに違和感を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この違いは、操作性を重視するか否かという考え方が表れているようで、電卓は「国際標準化機構(ISO)」、電話は「国際電信電話諮問委員会(CCITT)」の規格に準拠しているそうです。
数字のボタンが統一されていない機器として、銀行やコンビニなどに設置されているATM(現金自動預け払い機)もその一つで、電話タイプと電卓タイプがあります。同じ役割を果たす機器ですが、数字のボタンが統一されていないのは残念なことです。
その他、郵便局に設置されているATMは、電話タイプと電卓タイプのどちらでもなく、数字のボタンが左から右へと一列に並ぶデザインに統一されているので使いやすそうです。また、大きめのボタンに点字表示も備わり、目の不自由な方への配慮が施されている点も好感がもてます。
これは、さまざまな人が安心して使用できるよう、ユニバーサルデザインを取り入れている一つの結果だと思います。
数字のボタンが付いた機器に限らず、物作りを行なう上で自分にとって使いやすいだけではなく、さまざまな人に優しいデザインを考えることが大切です。