琵琶湖の内湖 西の湖


西の湖

琵琶湖の東(湖東)の安土山には、戦国時代の雄・織田信長が天下統一の拠点として築いたという安土城があったのはご存じの通り。陸路をいかずとも、湖上を船で進めば大津にたどり着き、帝のいる京の都へも大変便利な場所である。
今は周辺が干拓された農地が広がっているのでなかなか想像がつきにくいが、当時の安土山も安土内湖という内湖(うちうみ)に突き出た半島であった。他にも、この安土や近江八幡周辺には沢山の内海があったらしい。
今も残るその内湖の一つが、この”西の湖(にしのこ)”である。
この朝、通勤途中に通りかかる(車で通勤するときには必ず通るルート)と、霧が立ちこめていて、なかなか幻想的であった。



平日でも釣人が

そして、今や西の湖は釣り好きたちの間ではブラックバス釣りのメッカ、土日ともなれば、バス釣のボートが沢山浮かぶ。また観光客には水郷めぐりで人気があるスポットである。
そしてちょうどこの写真の背面には、”大中の湖干拓地”で、広大な農地が広がっているのだ。

葦の原

そしてもう一つ、ここはご覧の通り、湖岸には広大な葭(ヨシ)の原があり、周辺の葭加工の原料となっているのである。
この辺では必ずと言っていいほど、どの家の軒先にも簾(すだれ)が下がっているのだが、ホームセンターで売られているような簾はほとんど外国産だという。国産品はコストがかかるので販売価格で差が出てしまうらしく、廉価品ではかなわないとのこと。
というわけで、国産葭製品は高級品になってしまった感がある。安土城の周辺で葭加工を生業としていた当時の人には考えもしなかったことであろう。