甲斐 恵林寺


恵林寺

武田神社参詣のあと、甲州市にある恵林寺へ赴いた。
言わずと知れた、武田信玄公の菩提寺であり、かの夢窓国師が開山の臨済宗妙心寺派の名刹である。
車をとめて、杉木立の長い参道をゆったりと歩くと、古びた三門に至る。

恵林寺三門


戦国時代、住職であった快川国師は、前将軍・足利義昭の家来などをかくまっていたために、織田信長の攻めにあった。快川国師らは、この三門に立てこもったが、その下に草を積み上げて火をはなたれた。この時に快川国師が唱えられたのが、
「安禅必ずしも山水を須(もち)いず、心頭を滅却すれば、火も自ずから涼し」という有名な句である。
いまも三門の両側に、この句が掲げられている。
快川国師については、季刊『禅文化』190号から204号において、横山住雄先生が「快川国師の生涯」という連載記事を15回にわたり書かれている。是非お読みいただきたい。
戦国の動乱期を、別の視点から見ることができるかもしれない。


武田信玄公墓所

つねに公開されているので、庫裡の玄関から入り本堂にお参りして、うぐいす廊下といわれる回廊をいくと、武田信玄公が信心されていた不動明王、そして武田信玄公の墓所にも参詣ができる。

恵林寺方丈庭園

方丈の裏には上の写真のような美しい方丈庭園がある。これも夢窓国師の作庭であるという。天龍寺の曹源池もそうであるが、水が豊かな庭であった。