山科にある門跡寺院で、真言宗山階派大本山、勧修寺(かじゅうじ)を訪れました。
このお寺の建立は昌泰3年(900年)で、由緒も歴史も随一。
蓮と睡蓮の咲き誇る氷室の池を中心とした庭園も圧巻です。平安時代には、1月2日、この氷室の池に張った氷を宮中に献上し、その厚さで五穀豊穣を占ったとか……。
この素晴らしさとは裏腹に、京都市内中心部からは少し離れた山科区にあるからか、訪れる観光客もまばらで、京都の人にもさほど知られていなかったりします。
かくいう私も、東京出張の際に新幹線のホームにて、「そうだ、京都いこう」のポスターを見て知ったのでした…。
春には参道の白壁の築地塀にしだれ桜がこの上なく美しく咲くでしょうし、夏には蓮や睡蓮、そして境内にたくさん植わっている紅葉が秋にはどのような錦を見せるのかと想像するだに楽しげな古刹。
是非皆さまも京都におこしの際は、少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
見渡す限り、蓮と睡蓮。お浄土かと思うようなお庭です。
お浄土かと思いきや、裏に鷺の巣があるらしく見に行ってみると、泥沼なのでした。
泥沼で元気に鷺の子供たちは育っていました。現実世界と浄土とを表わしているようで感慨深く…。
正面から見た庭では、こんな泥沼の中からあの美しい蓮や睡蓮が咲いている事など想像もせず喜んでいますが…。
向こうに見える山を借景し、嫌な建物などは何1つ見えません。心底気持ち良いものです。
今回、両親を連れての拝観でしたが、昔は滝が流れていた…という所に不動明王と制多迦童子、矜羯羅童子が鎮座ましますのをみつけ、「あぁありがたや」と拝み、そしてまたそのお隣に四国八十八ヶ所の石が埋め込んであるのをみつけては「あぁありがたや」と石を踏ませていただき、そして立派なお大師様(弘法大師空海)の像にこれまた同行二人を思いつつありがたく拝ませていただく……。
神棚、そしてその家の宗派のお仏壇が家にはあり、それとはまた別に個々に信仰する仏やすがる神があり、日本人の信仰心とはおもしろいものだと端から見て思いつつ、かく言う私も手を合わせるのでした。