讃岐うどんを食べた高松を後にして、岡山へ渡った。
岡山では、まず閑谷学校へ。約300年以上前、備前藩主池田光政が庶民教育を目的に開いたという学校で、その講堂は、今は国宝に指定されている。
掃除がゆきとどいており、とても気持ちのいい場所だ。ここで学んだ人たちは、後に出世した人も多いのだが、素晴らしい土地を選んで学校を作り、それも庶民に学ばせようとした光政侯の遺徳が忍ばれる。
これが国宝の講堂である。とても手の込んだ建築方法なのだそうである。備前焼の赤瓦が印象的である。前には手入れの行き届いた芝生が広がっていた。
上にあがって講堂内部を覗き込むと、当時の生徒たちから現在まで、ずっと雑巾で磨き上げられてきた床が黒光りしているのが目にとまる。
講堂のさらに奥の方には、現在は史料館になっている寮舎がある。そこへ続く小径は丸い形に作られた石垣の屏に沿っており、とても涼しい風がながれていて、夏の終わりを感じさせてくれた。
(E.N. Wrote)