最近、ゴーヤ料理にハマッている。きっかけは檀家さんからのおすそ分けである。
いつもトマトや胡瓜などの夏野菜は頂くのだが、ゴーヤは初めて。お盆の行事が終わり夏バテ気味の体には、ゴーヤのビタミンが効果的だろうと、頂いた日に早速調理してみた。
作ったのは定番のゴーヤチャンプル。ゴーヤを薄切りにして、豚肉と豆腐と一緒に炒め、調味料を加え卵を絡める。
最後に鰹節をふりかけて完成。食べてみるとゴーヤ特有の苦みはあるが、この苦みが程よくてごはんによく合う。家族にも好評で、あっという間に平らげてしまった。
これに気を良くして、時間のある時にはついゴーヤ料理を作ってしまう。
ゴーヤを初めて食したのは僧堂時代に遡る。
老師が人一倍健康に気を使う方で、ゴーヤ(当時は「にがうり」が一般的な呼称だったが)が好物であった。
僧堂の園頭(えんじゅ:菜園のこと)でもゴーヤを栽培していて、雲水たちの食事の一品にも加えられた。あの頃は茄子と一緒に炒めて味噌で味付けしていたが、それでもかなり苦くて閉口した気がする。
そんな記憶があるからか、僧堂を出て以来、スーパーなどで見かけても、買ってまで食べようという気にはならなかった。それが20数年ぶりに食べてみて美味しいと感じたのは、味覚が変ってきたからだろうか。もっとも僧堂で作っていたゴーヤが特別苦かったのかもしれないが。
くだんの檀家さんに礼を言ったところ、早速ゴーヤが届けられた。和尚の好物が檀家さんの間に伝わるのは速いものである。
今年の夏野菜はもう終わりだから良いが、来年、胡瓜よりゴーヤのおすそ分けが多かったらどうしよう、そんな心配を今からしている。
(K.N Wrote)