白洲正子さんの『かくれ里』や、五木寛之氏の『百寺巡礼』などにも出てくる、近江の百済寺(ひゃくさいじ)を訪れた。
白洲さんゆかりの地を訪れたかったのと、以前MIHOミュージアムで見た如意輪観音を本堂にて拝みたかったからだ。
百済寺は、推古天皇の時代に、聖徳太子の御願により百済人のために創建されたそうだ。
滋賀にはこのように聖徳太子にまつわるお寺や土地が数あるようだ。興味深い。
さて、百済寺への道のりだが、京都駅からJRで能登川へ行き、そこからバス2本を乗り継いでいく。不便だ。しかし、京都の町中にいてはなかなか見られないような近江の風景に、とてものんびりした気分になった。
百済寺に着き、「しまったぁぁぁ!!!」なんと、創建1400年記念ご開帳が九月中旬から始まるようだ。御本尊の、十一面観世音菩薩がお目見えするらしい。 もう一度来なさいと言われているようなので行くつもりだ。
本堂には、MIHOミュージアムから戻って来られた観音様が鎮座されていた。
美術館で光をあてられている姿と、本堂のほの暗い中におられる姿とは別物で、こちらの気持ちもなぜかとても落ち着いた。
本堂への石段を吹き抜ける風は、何とも言えず気持ち良く、そこを登り終えると現れる本堂の趣は近江の里を見下ろして建つに相応しい立派な美しいものである。
また、四季それぞれに美しい姿を見せるであろう回遊式庭園の遠望台からは、近江の里が見渡され、これまた絶景。
思ったよりも時間がかかった上、寺で過ごす時間も長くなった為、今回はこの百済寺のみを参拝し帰路についたが、とても満ち足りた気分であった。
(N.K Wrote)