エローラから西へ1キロほど行った所にある、18世紀建造のシヴァ神を祀ったグリシュネーシュワル寺院に立ち寄りました。おそらくツアーなどで行くと素通りされる寺院でしょうが、ヒンドゥー教徒にとってはインドにあるシヴァ神を祀る寺院の中でとても重要な寺院だそうな。おそらく、エローラを訪ずれたヒンドゥー教徒はこの寺院には必ずお参りするのでしょう。
こういった所に立ち寄れるのは個人旅行の醍醐味です。観光地ではない寺院でのヒンドゥー教徒のお参りというものを実際に見る事ができます。観光客が全くいないので、ものすごい視線攻撃ですが…。
参道はお参り必需品のお供えのお花やココナッツなどを売る店で賑わっています。
右下写真の、「お供えの花をもっていきなさい!!!」とものすごいアピールを繰り返すおじさんから、せっかくだからとお花を買い、八百万の神を信じる日本人としては、特にヒンドゥーの神々にお参りする事も違和感を抱かぬままに見よう見まねでお参りします。
インドの色。
仏教が栄えた時代はインドというとどんな色のイメージだったのでしょう。昔から染色や織の技術の高いインドですから、鮮やかな色がそこここに見られたのでしょうか。
ヒンドゥー教徒が大多数を占める今のインドといえば、こういった鮮やかな色がインドのイメージカラーです。日本にいてもマリーゴールドを見るとインドを思い出してしまいます。
「お花を供えたら、帰りにその籠は返してね」とお店のおじさん。エコです。
お花をお供え。ヒンドゥー教徒はお供えやお祭にココナッツを用いますが、どうやらここではココナッツは割ってはいけないらしい?!
右の写真は、シヴァ神の乗り物、牛(ナンディ)とシヴァ神の象徴であるリンガとシヴァ。お供えの花でいっぱいです。美しい…。
お参りの際、男性は上半身裸になります。必死になにやら唱えつつお祈りをするヒンドゥー教徒の熱気に満ち満ちていました。
味わった事のない空気にめまいを覚えるほどでしたが、恐らくどこの国も、原始の信仰はこのようなめまいを覚えるような祈りの空気に満ちていたのではなかろうかと思うのでした。
仏教の空気とは違う、土着の信仰、神道の独特の空気を感じたお参りでした。