第6回西村惠信所長といく“禅と文化”の旅2 -平安佛所/泉屋博古館-

いつも美しいこの川のあたり

お昼を終えた一行は、紅葉並木美しい鴨川を横断し、平安佛所へ。
仏師の江里康慧先生を訪れます。
江里先生

制作中の仏像・現代の仏像の作り方について、また仏教の歴史と仏像の関係などについて、興味深いお話を伺う事ができました。 いつもお寺などを参拝しますと、ただただ仏像を拝し、思いに浸り、仏師の事にまで思いをはせる事は少ないかと存じます。
ですが、こちらで制作過程などを拝見し、江里先生のとてもお優しく穏やかなお人柄に触れ、古くから、弱い人間の信仰の対象となるような仏像を作り続けて来た職人の技と心が、今もなお連綿と受け継がれている事を目の当たりにし、ありがたく、感無量でした。


獅子を制作中

次に、仏像に施される截金の技を、一つの独立した芸術作品として世に広く紹介された、亡き奥様(人間国宝・江里佐代子氏)が残された工房も見学させていただきました。今、若い職人さん達がその技を継承されていらっしゃいます。とても頼もしい限り。この殺伐とした世に、美しいものを送り出して欲しいものです。
さて、截金とは、熱した金箔を糸のような細さに切り、それを幾重にも重ねていくという気の遠くなるような細かい作業にてできあがります。
「咳もできん、くしゃみもできん、息もできんなぁ…」と、皆さん真剣に若い職人さん達の作業を見学させていただきました。できあがった作品は、ため息の出るような美しさでした。
載金の作品

ずっと見ていたい…と思うような仏像制作、截金の作業。後ろ髪ひかれながら、次の行程へ。
最後に訪れましたのは、泉屋博古館。秋季展の「仏の形 心の姿 -東アジアの仏教美術-」を鑑賞しました。中国・朝鮮の金銅仏にはじまり、日本の仏具や工芸美術、日本の平安から南北朝の木彫仏と、お国や年代によってずらりとおでましになられた仏様にお会いする事ができました。
借景の庭
東山を借景した庭がひろがります。紅葉も美しく…。

京都駅のツリー
解散場所の京都駅。既にツリーがお目見え

さて、今回も無事行程を終える事ができました。ご協力いただきました訪問先の皆様、参加者の皆様には、厚く御礼申し上げます。
次回は、来年の新緑の頃を予定しております。是非ご参加下さい。