南無三世三千諸仏 -禅寺の授戒会-


授戒会

さる11月1~3日、近隣の永源寺派のお寺で3日間にわたる大授戒会が厳修された。
実はこのお寺は、永源寺派の現教学部長さんのご自坊。
戒師は、永源寺管長篠原大雄老師である。
私は派が違うものの、ご縁があるので知客寮として司会進行の大役を承った。

授戒会

戒を受ける戒徒は老若男女あわせて100余名。熱心な方達ばかりである。
境内はきれいに掃除され、戒徒のどなたかが熱心に育てられたであろう菊花がきれいに咲いている。


私自身も自坊で授戒会を受けたこともあるし、また他のお寺での授戒会にお手伝いにいったこともあるので、これで3~4回になろうかと思うが、ここに集う戒徒の方々はおそらく生涯初めてのことであり、また生涯最後のことであろう。
しかし真の仏教徒になるには、受けて然るべき授戒会なのである。


授戒会

三日間にわたり、戒師さまの講座、唱名師さまによる過去現在未来の三千仏の仏様の名号を御唱えする加行礼拝の修行、そして説経師さまによる説戒を、何度も受け、行ない、そして三日目の午後には、登壇といわれる、戒脈授与式がある。
一言で言うと簡単だが、特にお年寄りには、ほとんど正座をしたままの三日間、さぞ辛いことであろう。私は司会という立場でほとんど一緒に時間を過ごしたことになるが、戒徒の方々の表情の移り変わりを感じることができた。
みんなで一所懸命に「南無三世三千諸仏」、「慚愧懴悔六根罪障、滅除煩悩滅除業障」と礼拝することを繰り返し、高僧方から心に響くよいお話をきく。
膝は痛いが、それぞれに幸せな三日間であったことだろうと思う。
下山の頃には涙を浮かべている人もいた。
縁があって機会がめぐりくるならば、皆さんにも是非受けて欲しいと思う。

加行礼拝


加行礼拝