人類みな家族?

源氏庭
源氏庭 京都廬山寺

今年は源氏物語千年紀ということで、特に京都ではこれに纏(まつ)わる催しが盛んだが、ふと1000年(ざっと40世代)遡ったら私の祖先の数はいったいどのくらいになるのだろうと考えた。ネットにはちゃんとそれを計算してくれた人がいて、なんでも、2×40乗で1兆995億1162万7776人になるという。魂消た。
当時の世界人口は3億人ほどだったようだから、それこそ、今の隣り近所の人も、バスや電車でたまたま乗り合わせる人も、みんな同じ祖先を祀っているのじゃないかと思うと可笑しい。これが2000年前(ほぼ80世代)になると、その数はなんと1予2089垓2581京9614兆6300億人という聞いたこともないような数字になるわけで、このうちの一人欠けても私は存在しなかったと思うとなんだか厳粛な気分になる。
しかし、こうなると世界中の人はほとんど親戚といっても過言ではないわけで、人種だの民族だの、高貴な生まれだの、卑しい身分だのとワアワア言ってる場合ではなさそうだ。
よく街頭で見られる標語に「人類みな兄弟」なんていうのがあって、フフンと思っていたが、これは意外にも真実だったのかあと妙に感心したりしている。
ユダヤ民族のように民族の記憶をことさら大切にする人たちをみて不思議な気持ちがしていたが、本当は民族なんてチマチマしたものじゃなくて、今、地球に住む私たち一人ひとりが、実は共通の祖先の記憶を共有しているわけで、そうなると、あの「集合的無意識」の世界も断然納得しやすくなってくるのだ。